子供がどう思っているかなんて分からない
2016年。今から二年前に買った本を今頃読んだ。
『キリン』(山田悠介)である。
買った時は少し読んだ。本当に少しだけ。買う時に立ち読みしただけかも・・・。
偶然見つけて、バッグの中に入れていた。
普段は時間が空いたらゲームをするんだが、雰囲気的にゲームしてる場合じゃないなと思って、バッグに入れていたこの本を読んだ。
一気に読んだ。
面白かった。
いや、面白くは無いか…。
途中、読むのをヤメたくなるぐらい可愛そうになる。
なんなんだこれはと、涙目になりながら、歯を食いしばりながら読んだ。
途中、『これ、なんか面白い終わり方になるのか?』と不安になった。
しかし、終盤の勢いが凄かった。読むことをヤメれなかった。
そして、最後は山田悠介らしく、まさかまさかの展開で終わった。
凄く印象に残る物語だった。
あなたは虐待していませんか?
最近、『虐待』が頻繁に報道されている。
虐待死のニュースが流れる度に、悔しくて、子供のことを考えると可愛そうで涙が出る。
私も子供に手を上げたことはある。
その時は子供は泣くし、反省しているように見える。
怒り過ぎたかな、可愛そうな事したな、と思う。
しかし、またすぐに忘れて同じようなことをしてしまう。
何度叱ってもなかなか直らないのである。
これがエスカレートしていけば、『虐待』になってしまうだろう。
もっともどこまで『躾』で、どこから『虐待』になるのか、それは難しい事だと思う。
一生治らないような怪我をさせてしまった。死なせてしまった、それは誰がどう見ても『虐待』だろう。
しかし、『叱る』、『ご飯抜き』、『叩く』、『無視』どこから虐待?
きっとそんな線引は一生できないと思う。
『どこから浮気?』
みたいに、人それぞれ。
浮気と違って、『虐待』は子供、親、周りの人。それぞれの立場で全然違うだろう。
なぜ虐待するのか?
大事に育てろよ。
『キリン』を読んで思った事
物語の内容は別に虐待がテーマではないです。(いや、遠回りに訴えかけているのか?)
けれど、この物語を読んで自分が、どうして子供を叱るのか。
子に何を求めているのか。
子はどんな思いでいるのか?
そんな事を考えさせられました。
自分に子供が居なければ、こんなに心に響かなかったかも知れません。
子を持つ親に是非読んでもらいたいと思いました。
終わり
特に内容についてはあまり触れませんでしたが、中盤は読むのが本当に辛かった。
『これ山田悠介の小説だよね?どういう終わり方するんだ?』
と、思いました。
が、しっかりと私が思いつかないような結末が待っていましたよ。
やっぱり、山田悠介の小説は好きだなぁ。