高気密高断熱住宅に石油ストーブは大丈夫なのか?
昨年、34坪の新築を建てました。
当然のように高気密高断熱住宅。
そこで必要となるのが冬の暖房。我が家は石油ストーブを使う道を選びました。
コロナ石油ストーブ対流型
石油ストーブの注意点
火気
家の中で灯油に火を点けて燃やすと言うことです。
オール電化が主流の近年の住宅で火を使って暖を取る。時代に逆行していると言っても過言ではないでしょう。使い方を間違えば最悪、死に直結する危ないものです。エアコンや床暖房に比べると遥かに危険度は上です。製品ごとに使い方は違うと思いますが、取扱説明書を熟読して、きちんと理解してから使いましょう。エアコンのように適当な使い方では絶対に駄目です。
まぁ、慣れれば手間では無いので安心して下さい。
あと、当然ですが触ると火傷します。
それと、洗濯物が直ぐに乾くからといって、ストーブの方に洗濯物を干したり、燃えやすいものを上においては絶対に駄目です。
湿気
石油ストーブは性質上、燃焼する際に水蒸気を発生します。湿気です。
適度な湿気は人間には良いです。インフルエンザや胃腸炎予防にも効果的なので、ありがたい効果ではあります。
が、住宅の方は湿気を嫌います。
適度な湿度なら良いのですが、容量を超えると結露します。
結露って嫌じゃないですか?窓がビチャビチャになるし、鏡も曇ってしまいます。
見えるところで結露しているのならまだ良いです。壁の裏側で結露していたらどうにもなりませんよ…。
灯油
当然ながら燃料となる灯油が必要です。
給油の手間は当然ありますが、それ以上に考えて置かなくてはならないのは灯油の保管場所。一般的な18リットルのポリタンクでも結構場所を取ります。
18リットルのポリタンクでどれぐらい持つと思いますか?
冬本番になり日中もフル稼働するようになると、毎日給油する事になります。すると5日もてば良い方かとおもいます。あっという間にポリタンクが無くなります。
うちは200リットルの灯油タンクがあるので無くなればそこから持ってこれます。そのタンクへは業者の方が直接入れてくれます。なので、灯油を買いに行く手間がありません。灯油の置き場を確保して置かなくてはならないです。
臭い
灯油が燃える独特の臭いがします。
まぁ、私はこの臭いが好きな方なので問題ないです。
あと、灯油単体でも臭いがします。
この臭い自体は人体に悪影響は有りませんが、好みが分かれるので、嫌いな人は駄目です。
ハウスメーカーに言われた注意点
間取り等の打ち合わせの段階から暖房は石油ストーブでと伝えてありました。
特に反対されることは無かったですが、ハウスメーカーさんによっては石油ストーブが使用禁止の場合があるので、前もって確認しておくことをオススメします。勝手に使って後々トラブルになったら大事ですからね。
使用するにあたって守って欲しいと言われたことがありました。
換気です。
高気密住宅なので、隙間風はありません。
とは言っても、人が住むので通気口が必要。各部屋に小さい通気口が設置してあります。
この通気口を必ず全開にしておく事。
それと2箇所のトイレ、脱衣所、浴室の換気扇は点けっぱなしにしておく事。
言われたのはこの2点です。
これだけは必ず実施するように言われました。
守らないと、きっと一酸化炭素中毒になるでしょう・・・
まぁ、通気口を開けているから寒いと言うことはないですし、逆に閉めたからと言って省エネになることはないです。
もっとも、このストーブは火力調整は出来ませんから(-_-)
それと、換気以外にもう一点。
ストーブだからって、上で湯を沸かすのは湿度が高くなりすぎるかも知れないから止めた方が良いと言われました。
結露は壁紙とかにも良くないそうです。剥がれやすくなるとか。
実際に使った感想
さすが高気密高断熱住宅。この石油ストーブとサーキュレーターで家中暖かいです。
当然、2階も暖かくなります。逆にサーキュレーターが無いと、二階へ熱が逃げていくので、サーキュレーターは必須です。
暖まり方もサーキュレーターがあるせいか、遅いと感じることはなく、朝起きて直ぐはストーブの周りで縮こまっている子供たちも、あっという間に寒いと言わなくなります。
このじんわりと体の芯から温まる感じは他の暖房器具には無い最大の長所です。
結露
気にしていた結露は全くありませんでした。
ペアガラス&樹脂製の窓枠のおかげでしょうか。逆に洗面所の鏡も曇らないので湿度は不足気味なのかも知れませんね。
臭い
もともと嫌いでは無いので臭いに関しては全く問題なし。
使い方に少しコツがあります(コツと言うより取説にきちんと書いてますが・・・)
まずは適正火力というものがあります。燃焼筒から炎が少しだけはみ出るようにするのが適正です。これより小さくしてしまうと不完全燃焼を起こす可能性があるし、臭いやススの原因になります。炎が大きすぎるのは危ないです。初めは弱いですが、暖まってくるにつれ、炎が大きくなってきます。大きさが落ち着くまで15分ほどでしょうか。炎が落ち着くまで5分おきぐらいに見てあげて火力を調整してやりましょう。
消す時も臭いが強くなります。正式な消し方はツマミを消火の位置まで回すという事です。中途半端な回し方をすると、なぜか耐震装置が働いてスピード消火のように一気に火が消える事がありました。一気に消すと臭いが強いです。コツとしてはツマミを3回ぐらいで消火の位置までもっていく事と、最後は止まる位置まで一気に回してあげて、それ以降は回さないという事だと分かりました。
換気
窓を開けたりは特にしていません。本当は数時間おきに窓を開けて換気をする必要があるので開けなきゃならないのは分かっていますが面倒なのでサボっています…。
ただ、通気口と換気扇は点けっぱなしにしてあります。最近はキッチンの換気扇も”弱”で常時稼働させているのでかなり換気されていると思います。
玄関や勝手口の開閉も結構な頻度であるので、事は足りているのかなと思います。
もちろん、これまで一酸化炭素中毒になったことはないです。
通気口を開けっ放しで部屋が温まらないというような事もありません。
ただ、料理をするときにキッチンの換気扇を”中”以上にすると部屋の温度が下がるのが分かるぐらい一気に暖かい空気を持っていきますね。
使い勝手
流石にエアコンのようにボタン一つで暖かくなるわけではありませんが、電池と灯油さえ入れておけばツマミを回して点火ボタンを押すだけなので大して面倒ではありません。エアコンよりも早く暖まるし。
今までありませんが、停電でも使えるのは最大の強みです。東日本大震災の時は数日間停電になりましたが、違う石油ストーブですが電源を使わないストーブがあって良かったと心底思いましたね。このストーブを買った理由の1つです。
あと、コンセントを必要としないので、好きなところへ持っていけます。
友達が遊びに来たからちょっとベランダで酒でも飲もうかななんて時に、簡単に持ち出して使うことが出来ます。外なら天板で熱燗でも作って、スルメを炙って食べるなんてことも可能です(まだ妄想だけでした事はありませんがね…)
使う時間帯
これが結構重要です。光熱費の節約と安全面からオススメの運用方法です。
我が家は電気料金プランが夜の9時から朝の9時まで半額というプランにしてあります。
起床時はエアコンをタイマーでセットしておきます。そうすると部屋はほどほど暖かくなっています。
子供たちを全員送り出し、9時にはエアコンを止めます。
そして日中は石油ストーブを点けます。もっとも天気がいい日はストーブがなくても暖かいぐらい断熱はしっかりしていたので、お昼寝時は陽なたでいるだけで十分暖かいです。
21時以降はまた電気料金が半額なのでエアコンを使います。ストーブの方が気持ちいいのですが、それが危険なんです。近くで居ると恐ろしく眠くなります…。なので、夜はなるべくストーブを使わないようにしています。石油ファンヒーターのように3時間消火タイマーとかあれば良いのですが、なんせこのストーブはコンセントに繋がっていない代物。灯油が無くなるまで永遠に燃え続けます。お酒も飲むので、夜はエアコンで暖を取ります。
おわり
この石油ストーブも新居での2シーズン目となりますが、あまりにも我が家に馴染みすぎて、他にいい暖房方法が分かりません。
確かにエアコンや床暖房と違って場所を取りますし、安全面から言えば使い方を間違えれば死をもたらす代物です。
けれど、それは誤った使い方をした際の話。ダイナマイトと同じです。大事なのは使い方。正しい使い方をすればこれ以上便利なものはないです。
もとはアラジンのブルーフレームが欲しかったのが始まりですが、あれでは火力が弱かっただろうと思うし、真っ白な我が家にコロナのホワイトフレームは合っています。
ストーブガードもこのストーブの為にあるんじゃないかというぐらい、しっくりきてますしね。
実は、実際に購入するまでかなり迷いました。それまでは石油ファンヒーターを使ってましたから、このストーブで暖をちゃんと取れるのか、危なくないのか不安でした。
確かに使い方は簡単とは言えないです。きちんと仕組みを理解して使い方を守らないと駄目です。なんせアナログな機械なので、人間がきちんと考えて正しい使い方をしてあげないと駄目です。
けれど、一度使い方を理解すればかなり便利な代物です。
おまけに構造はシンプルなので訳のわからない壊れ方をしません。ってか、使い方を守ってればずっと使えるんじゃないかと思います。
それぐらいシンプルだし、ホコリさえ払っていてやればメンテナンスなんて必要ないです。その点からしたら、フィルターの掃除が必要なエアコンやファンヒーターよりも手が掛かりません。
ただ灯油に火を点けて燃やしているだけですからね。(タンクに残った前シーズンの灯油は劣化していて臭いです。寒くなる前に出して試運転で燃やしてしますのがオススメです)
大事に使っているので10年以上持つだろうなと確信しています。それぐらい壊れそうなところはありません。
このストーブを買って大正解でした。もし駄目だったとしても14,000円位だったので、災害時の非常用器具として保管しておいてもいいかなと思っていたぐらいです。かなりコスパは良かったです。
アナログな分、使う側の知識は必要です。きちんと取説を読んで正しい使い方をすれば最強だと思っています。
すごく人に優しい暖かさを提供してくれます。
このストーブがあるおかげで寒くなるのが若干恋しく感じるぐらいです。
もし悩んでいるのであれば試しに買ってみても良いと思いますよ。
ディスカッション
コメント一覧
>>近くで居ると恐ろしく眠くなります…。
それ、換気が足りてないからですね。
事故が起きる前にストーブを使うのを止めておいた方が良いかと。
本当に高気密だと、24時間換気システムでも換気が追いつかないと言われています。
家を建てたときに、C値って測りましたか?
C値が1でギリギリ高気密だと言われていますが、仮にC値が1だと、換気システムが動いていても、換気口から計画した様に換気される空気の量は40%ほどで、後の60%は家の中の隙間から空気が出入りしているとの事です。
C値は、建てる家ごとにまちまちで、○○ホームで建てたからC値幾らとは、全く担保されないものです。
建てる時に、専門の方に測定して貰ってはじめて解る数字です。高気密高断熱を本当にやっている会社は、必ず全棟測定します。
貴方の家のC値が幾つかは解りませんが、1以上で本当は中気密だから助かってた可能も考えられます。
ここからは私の予想ですが、換気システムが動いていて、気密が1以上と中気密で、家の色々な所から空気が入り込んでいた事、起きている時間帯のみの使用だったので、ドアの開け閉め等で空気の流れが自然と起こった事などで、大丈夫だったのだと思います。
それでも換気システムが何かの拍子に止まってたら、隙間からの空気の交換は中途半端に高いC値(1~2)のせいで行われず危ないと思います。
換気システムなんてそうそう止まらないだろ、とか思ってます?
故障や停電で止まりますし、貴方の家が第三種換気システムなら、排気のトイレや風呂の換気扇に強めの風が当たると空転して換気は止まります。
誤った使い方をしなければ、、、とか書いてますが、一酸化炭素も二酸化炭素も目には見えません。換気システムが止まる可能性って私が指摘する前に考えてました?ちゃんとした知識と常識のある人は、低い可能性でも自分や家族の命の危険があるシステムを使い続ける事はしないでしょうね。子供がいるなら猶更です。
貴方の記事を読んで、安易に真似する方が出てこないとも限りません。事故が起きてからでは遅いです。
「安さと快適性」「自分と家族の命」この二つって、私からしたら、天秤にかけるものではないですが、貴方は違うのでしょうか?価値観は人それぞれでしょうが、仮に、貴方一人が痛い目を見るなら自己責任ですが、家族からしたら、勘弁して欲しいでしょうね。