『その時までサヨナラ』の感想

これまで2回『その時までサヨナラ』について書きました。
今回は読んだ人向けです。
ネタバレ含みまくりで思いを出力します。
なので、『その時までサヨナラ』に興味があってここに辿り着いたんだとしたら、まず先入観ナシで読んでみて下さい。
泣けるのは間違いないんで。

では感想

最後はとにかく泣いた。

切なすぎ。

正直、主人公含む大人はどうでもいい。

子供が可愛そうで仕方なかった。

姿形は違えど、お母さんが帰ってきた。

それで、生前は家族仲が悪かったけれど、とても良くなった。

親子3人で凄く幸せな時間が流れた。

子供は全て知っていたから、そう思っていただろう。

なのに、結局お母さんは居なくなってしまうなんて、そんなに可愛そうな事はない。

私の涙の大半はその部分だったと思う。

 

バカは死ななきゃ治らない

思い返しながら、今思った言葉がこれだった。

主人公はやっぱり奥さんを好きになった。
容姿が全く変わったにも関わらずだ。
(余談だが、私は妻の容姿に惚れた。中身はそれほど重要視しなかった。多少難ありとさえ思っている。自分でも制御出来ないぐらいなのに、他人の考えていることなんて分かりっこない。しかし見た目は裏切らない。私の中で絶対のもの。そりゃ上を見ればキリがないだろう。が、決して妥協して嫁に落ち着いた訳じゃない。本当に綺麗だし可愛いと思っている。そんな気持ちで早10年が経つ。未だに可愛いと思っている。しかし以前と違うのは、怪我や病気、老いで顔が変わっても私は妻のことを可愛いと思うだろう、と確信している。)

不慮の事故とは言え、なんで死ぬ前にその行動を取れなかった・・・。
やはり死ぬまで追い詰められないと治らないのか。

何が良くて奥さんは結婚したんだろう

宮前春子と会う前は野心に満ちた仕事人間。
それが悪いとは思わない。旦那がバリバリ稼いで、家庭は奥さんがしっかりする。
そこに愛情が感じられないとしてもだ。
ギャンブルにハマったり、暴力や虐待をする親なんかよりよっぽど良い。

しかし、奥さんはそんな旦那を許せなかった。
もっと家庭を大事にして欲しかった、子供と触れ合って欲しかった。そんな感じなのかな?
そもそも、そんな人間では無かったと思うんだ。
結婚する前から分かっていたことの様な気がする。
そんな悟を好きになったんじゃないのだろうか?
奥さんがなんで、そんな男を好きになったのかは書かれていないので分からない。
奥さんは子供が産まれたら、旦那は変わると思っていたのだろうか?

私はもう割り切っている。というか、吹っ切れている。
妻に期待しない、望まない。
非常に寂しい事だとは分かっている。
けれど、あてにするから裏切られた時に傷つくのだ。
自分で出来ることは自分でやる。
部屋が汚れてきたなと思ったら、自分で掃除をする。
妻がイライラして子供にあたっている。きっと自分が悪いからだ、オレが面倒見なきゃ。
妻は仕事をしていない。専業主婦だ。けど、何もしなくても構わない。ゴロゴロしてたって構わない。
そんな人と結婚したのは誰でもなく自分だ。
別に虐待をするわけでも、金遣いが荒かったりするわけでもない。
ただ、言いたいことはズバズバ言うが、自分はあまり動かないだけ。
それだけだ。
妻の容姿に惚れて結婚したんだ、それだけで十分。
自分だって人に物を言えるほど立派な人間じゃないしね。
寝顔を見て癒やされている。

妻に読ませたらどんな反応するだろう?

この帯にある感想。

『私は泣けなかったけど、何だかうれしかった・・・』

って意味が未だに分からない。

なぜ泣けなかったのか?
まぁ感動しなかったんだろう。私は子供が可愛そうという理由が一番で泣けた。
子供が出ない物語ならまた違ったかも知れない。
なんで旦那に勧められてうれしかったのかも分からない。
この本の内容がどうとかでは無くて、どんな本だろうが旦那に進められたのが嬉しかったという事なのか?
謎だ・・・。

私が勧めた本を妻が読んでくれたら、そりゃ嬉しい。
ついでに、感動して泣いてくれたらもっと嬉しい。

けど、逆に「何が面白い?」って思われたら物凄く辛い。
自分を否定されたようで・・・。

だから私は勧めたりしない。

そっと置いておく。

いつか見てくれる日まで。

もしかして、私が死んでから「どんな本読んでたんだろ…」って感じで読んでくれたりしてね。

その時、妻はどんな事を思うんだろう?

楽しみだけど、絶対に知ることは出来ないな・・・

 

とにかく、私には感動の一冊でした。

絵本『ママがお化けになっちゃた』の大人版ですね(^^)